スポーツ業界で活躍したければ、スポーツ業界に就職するな


桜が咲き、大学生の就職活動も佳境にはいってきた。弊社でも数人のフレッシュな内定者が決まった。
弊社はリクナビ・マイナビで新卒採用の募集をしていないのに、かなりの数の応募がある。
スポーツ業界に就職したい大学生が多いこと!
しかし、スポーツ業界に就職出来る大学生は限られている。狭き門だ。

—スポーツを教える学部学科は供給過剰—

というのも、まず大学側に問題がある。
日本の大学でスポーツの学部や学科がある大学は現在40校以上あり、その大部分が2003年以降に設立された。このたった16年の間にスポーツ学を教える学部・学科は数十倍になったのだ。専門学校を含めるともっと多い。
このころ、Jリーグやbjリーグなど新たなプロリーグが発足して、長らく野球、相撲、ゴルフしかなかった日本のプロスポーツ界に新たな盛り上がりがあったからだろう。

しかし、その出口の就職先が数十倍になったかと言えば、そんなことはない。
需要と供給のバランスが合っていないのだ!

そして、日本のスポーツビジネスは、チームも協会も企業のスポンサーによって長らく成り立っていたせいで、幹部はほぼスポンサー企業からの天下り。このせいで、日本ではスポーツビジネスのプロが育たなかった。圧倒的に人材不足なのだ。この影響で、未経験の新卒が入っても教えられるプロフェッショナル人材も仕組みもない。

プロチームを見てみたら分かるが、革新的な施策をうち、黒字をだし続けているチームの幹部は、皆スポーツ業界出身ではない。商社、IT、流通など他分野で活躍してきた人たちだ。

—日本でのスポーツビジネス就業の実態—

日本でのスポーツビジネスの就業を解説しよう。
日本のスポーツメーカーに就職したら、大部分の人は、営業に配属される。地方のスポーツ店や学校を割り当てられ、20年以上営業を行う。(長ければ定年まで)その中のごく一部の超優秀な人が本社のマーケティングや商品開発に転籍できる。若い頭が柔軟なうちにたくさんの経験をした方がよいに決まっているが、日本の会社はそうではない。入りたい会社の社長や取締役が何歳か調べてみるとよい。目安として60歳以上の会社は要注意だ。30代や40代がいない会社は今の世の中の変化にはついて行けないだろう。

外資のスポーツメーカーは、給与は高いが、新卒採用を行っていない。これは、何の能力を持っているかで採用するからだ。マーケティングのスキルと経験を持っているから、マーケティング職として採用される。何も出来ない新卒は雇わない。

スポーツビジネス就職マップ

そして、プロチームだが、多少の新卒採用は行っている。先述したとおり、新卒として入ってもとんでもなく給与は低く(それでも赤字のチームがたくさんあるが)、幹部は天下りだから、何年勤めてもチームの重要な仕事を任される可能性は極めて低い。ずーっと雑用をやることになる。(というより、素人を教える余裕が無い)

つまり、メーカーやチームで重要な仕事がしたければ、親会社から天下りするか、他の仕事で専門性を身につけて転職するしかないのだ。


とはいえ、日本のスポーツビジネスは拡大している。
(高齢化して、スポーツする人の割合が高まっている要因が大きいのだが)
スポーツも多様化して、スポーツビジネスのプロの需要は高まっている。

スポーツビジネスを志す大学生諸君は、CMなどのイメージではなく、本当に自分のスキルが身に付き、若いうちからチャレンジできる会社を見つけてほしい。

君たちのがんばりが、未来の日本スポーツビジネスを創るのだから。

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